深刻化する中国の大気汚染問題で、復旦大学(上海)の研究グループは産経新聞の取材に対し、心臓など循環器系で疾患を引き起こす危険性のある微小粒子状物質として、「PM0・5」の存在を指摘し、中国当局に大気汚染の監視範囲を広げるよう求めていく意向を明らかにした。
 
報道によれば、PM0.5の主要な物質はディーゼルエンジンなどから排出される微粒子や硫酸塩、硝酸塩などで、PM0.5を吸い込むと肺胞にまで到達し、蓄積する可能性が高いという。
 
 
PM0.5の影響
「PM0.5」は直径が0.5マイクロメートルとPM2.5よりもさらに粒子が細かく、人体に与えるリスクもPM2.5より大きいという。
 
 
「PM2・5」よりも粒子の直径が小さいため、肺の奥まで侵入して血液中に流れ込み、心臓や弁などに障害を与えることが懸念されるという。
 
人体には呼吸時に大気中に含まれる異物を除去する機能があるが、直径が7マイクロメートル(1マイクロメートルは1千分の1ミリ)のPM7・0より小さい微小粒子状物質は鼻腔をそのまま通過。同2・5マイクロメートルのPM2・5は気管に入り、急性気管支炎や喘息(ぜんそく)など呼吸器系の疾患を引き起こす。

これが同0・5マイクロメートルと超微粒のPM0・5は肺の内部の気管支も通り抜け、血液中の二酸化炭素を酸素に交換する肺胞にまで侵入。その後、血液に流入し心臓や弁などで疾病を引き起こす恐れがあるという。
 
 
復旦大学公共衛生学院教授の闞海東氏は、「PM0.5が肺胞の中に入ると、血管膜を越えて心臓循環器系統の疾患を引き起こし、さらには神経系統の平衡を乱す可能性もある。」と述べている。PM2.5の中でPM0.5が占める質量比はそれほど高くないが、濃度数は90%に近い高さだという。
 
 
疫学的には、粒子状物質の濃度が高いほど呼吸器疾患や心疾患による死亡率が高くなるという有力な報告がある。
 
 
日本にも飛んできている
18日(2014・3月)の高知に続いて、福岡でもサクラの開花が発表されました。佐賀や宮崎でもサクラが開花。例年より少し早いが、春はもうすぐそこまで迫っています。と、同時に午前9時ごろの福岡市。遠くが白くかすんでしまっています。再び大陸由来とみられるPM2.5が日本にやってきたのです。

大気汚染を研究する工学院大学の坂本教授に九州地方で採取された大気を顕微鏡で見せてもらいました。

「小さめの粒子が3つ並んでいて、これはさらに小さくて0.5ミクロン程度なので、PM0.5に相当する」(工学院大学 坂本哲夫 教授)

改めてその大きさを見てみると、髪の毛よりもはるかに小さく、黄砂のおよそ8分の1、スギ花粉のおよそ60分の1と非常に小さいです。

そのため・・・
「PM0.5の成分が肺の表面で溶け出して、それが直接血液の中に入ってしまうとか言われている」(坂本哲夫 教授)

PM0.5は、PM2.5より肺の奥深く、酸素を取り込む肺胞にまで達し、ここを通じて血液中に流れ込む可能性があるといいます。PM0.5が人体に影響を及ぼすらしいということは分かってきているがまだ研究中です。
 
みなさんにとって 必要な情報を 転記させていただきました。